タイトルの言葉は、 自分の小さな「箱」から脱出する方法 という本の中で、主人公(?)が上司に言われる言葉だ。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 156人 クリック: 3,495回
- この商品を含むブログ (418件) を見る
言葉は違うが、先日、ガツンと来ることを言われた。週末はずっとそのことを考えていたし、正直苦しかった。そして、最近の自分の行動を思い返して、猛省した。
この出来事をきっかけに、久しぶりにこの本を読み直した。
「箱」とは何か
この本の中では、「箱」のことを知らない人に対してその話をしてはいけない、と書かれている。しかし、それでは伝えづらいので、簡単に書いておく。詳細が気になる人は、本を読んでいただければと思う。
「箱」に入るプロセスはざっくり以下のような感じだ。
- 自分を裏切る(自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動をする)
- 自分を正当化する
- 現実を見る目がゆがめられる
- 箱に入る
- 箱を持ち歩くようになる
誰かのために何かをしようと思ったのに、理由をつけて結局何もしなかった経験はないだろうか?
例えば、バスの中で、年配の方が乗ってこられたとき。席を譲ろうか迷って、結局譲らなかったことがあるだろう。それは「席を譲ろう」と思った自分を裏切っているのだ。その瞬間、自分を正当化し始める。「自分は疲れているんだ。それに、この人は席を譲って欲しいわけではないかもしれないではないか。」という感じだ。
すると、現実を見る目が歪められ、周りの人を批判し始める。「譲るべきなのは、優先席に座っている人ではないか。この人も、座りたいなら優先席の方に行けばよいのに。」というように・・・
「箱」に入っていた自分
私の話に戻るが、最近、箱の中に入っていたと思う。いや、箱を持ち歩いていたと思う。
思い当たる原因はいくつかあるのだが、一つだけ具体例を挙げてみると、廊下で人とすれ違う時の挨拶のことだ。
ある程度の規模の会社になると、隣の部署の人が何をやっているか分からないし、ほとんど話したことがない、というのはよくあることだと思う。
新卒で入社した企業もそうだったのだが、意外と廊下ですれ違うときに挨拶をしない人も多い。私も新卒の頃はもちろん、挨拶しなければと思っていたはずだ。しかし、次第に小さめの声で挨拶してみたり、会釈だけだったり、知ってる人だと挨拶したり、という感じになってしまっていたように思う。
これは、知らないうちに箱の中に入ってしまっている一つの例ではないだろうか。
- 挨拶しなければと思いながら、挨拶をしない(自分への裏切り)
- 相手も挨拶していないじゃないか(挨拶をしない自分の正当化)
- あの人とは話したことがないし、名前も知らないじゃないか(現実を見る目が歪められる => そもそも、知らないから挨拶しなくて良い、とはならないはず)
- 箱に入る
という具合だ。
人は、大事なことを忘れてしまう
もともとこの本は、前職のリーダーに勧めてもらって読んだことがあった。 その時も良い本だと思ったし、手元に残しておいた。
しかし、この本の存在自体忘れていたし、内容もかなり曖昧になっていた。
人は、ある時点で大事だと思ったことでも、時間と共に忘れてしまう生き物だと思う。
この記事を書いたのは、将来の自分のためでもある。
人見知りだ、などと言ってられない
ある程度の規模の会社になると、仕事で関わる人も増える。ほとんど話をしたことがない人と仕事をすることもある。自分は打ち解けるまで時間がかかるタイプだ、などと言っている場合ではないと、改めて実感した。
今までは、ご飯や飲みに行くことで人と距離を縮めていたが、「箱」の存在を意識することで、関係性は十分変わっていくのではないだろうか。
副次的効果
不思議なことなのだが、一連の出来事があって、気持ちが楽になった。自分を正当化する必要がなくなったからかもしれない。Sansan は優秀な人が多いというイメージを持っていたので、自分も優秀でなければならない、と思っていた気もする。
自分は優秀である、という自己正当化イメージを保つのは大変なことだ。
その他、気をつけるべきこと
- 挨拶する
- ちょっとしたことでも話をしてみる
- わからなかったら質問をする
- わからないからと言って何もアクションを取らないと、興味が無いと思われてしまう
- そもそも、発言をしない人は会議に出る意味はない
- 不特定多数に向けた依頼にもなるべく反応する
要は、積極的に人と関わってみる。
最後に
人は、本当はどうするべきなのか、わかっているはずだ。一番最初に浮かんできた心の声に、素直に従っているかどうかの違いだと思う。
心の声に背いたとき、すでに自分を裏切っている。
未来の自分へ。行き詰まったらまたこの本を読んでみよう。
みなさんも、良かったらぜひ読んでみてください。何かのヒントになるかもしれません。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 156人 クリック: 3,495回
- この商品を含むブログ (418件) を見る